第2章 異世界へ
『こんなとこで過ごせと…?』
外に一歩出てみるとそこはジャングルのように木で覆われていて見渡す限り木しか視界に入ってこない。
今まで山の中でなど過ごしたことない恋歌は苦笑いを浮かべている。
『ま、原作では山賊に育てられてたんだし山のなかで立派に育ってたからいっか』
せっかく用意してくれたんだし文句も言えないか、と言って森を進んでいく。
暫くすると海が見えてきた。
『へぇー
この世界の海はやっぱり綺麗ね
海に出て海賊になりたいって思うのもわかる気がする』
恋歌は暫くそこからの景色を堪能していた。
『さて、ちょっとだけ技の練習でもしてみよかな』
刀を近くの木に立て掛けて頭のなかで武器を考える。
最初に思い付いたのはアレンの神の道化だった。
すると一瞬で全身に白いマントが広がり、仮面もしっかりついている。
『すご…
じゃあ次は…』
一度アレンのイノセンスをしまい、次はリナリーの黒い靴を思い浮かべた。
脚の方に違和感を感じ見てみると膝までの赤いブーツがあった。
『結晶型の方か
空も飛べるのかな?』
試しに地面を蹴ってみると物凄い速さで来たこともないような高さまで上がってしまった。
『これは力加減が難しいね…』
宙に浮いたまま辺りを見回すと近くに村があることがわかった。
『あそこがフーシャ村かな?
また今度買い物に行こうっと』
大体島の形や物の位置を把握したところで最初の場所に戻ってリナリーのイノセンスを解いた。
『じゃあこんなのもできるのかな?』
自分の背中から翼が生えているイメージをして集中すると本当に背中から翼が生えてきた。
飛べるのかと羽をはばたかせてみたがなかなかうまく飛べなかった。
他にも手を鋼鉄化させてみたり、腕から翼を出して羽を飛ばしてみたりと色々してみた。
『イヴの能力はなかなか使えそう
後はあの斬魄刀か』
ちらりと先程立て掛けた刀を見て手に持ってみた。
抜いてみるが普通の刀と代わりなさそうにみえる。
『試しに何か…
【斬月】』
そう恋歌が言うと刀は一瞬で姿を変え、出刃包丁のような刀になった。
『斬月は解号がないから駄目かと思ってたけどできてよかった
試しに海に向かって…』
恋歌は海に向かって斬月を振りかぶり思いっきり降り下ろした。