第10章 未来への布石
『本当ならあなた程度なら瞬殺できます
ですがもう一度だけチャンスをあげます
本気でかかってこないと死にますよ?』
呆れたように言えば男の怒りに触れたのか体を震わせている。
すると上から声が降ってきた。
マ「おい、本気で相手しろっていったろい
なに勝手に手加減なんかしてんだ」
声の正体はマルコだった。
なるほどこの男の独断で手加減をしたということか。
「す、すいませんっ」
『ならば今度は本気でかかってきれくれますね?』
「どうなっても知らないからな!」
まださっき言われたことを気にしているのかやたら大きな声で言ってくる。
『どうぞどこからでもかかってきてください』
恋歌が余裕な感じを見せるとまた怒りに触れたのか今度は本気で刀を降り下ろしてきた。
それを恋歌はまた鋼鉄化した手で受け止める。
「なんだ…この手…」
マ「武装色の覇気…?」
まだ刀を受け止めているため今度は男にもしっかり鋼鉄化された手が見えている。
しかし次の瞬間には男は意識を失っていた。
「「「えー!!」」」
と、クルーたちの叫び声が聞こえる。
何が起こったのかわからないのだ。
見えていたのはおそらく隊長たちのみ。
ただたんに刀を受け止めたあと反対の手で相手の鳩尾に拳を叩き込んだだけなのだ。
スピードが半端なかったため他のクルーたちには見えなかったのだ。
恋歌は倒れた男を丁寧に横たわらせながら上を向いてマルコに顔を向ける。
『マルコさん次、誰ですか?
それともここにいる皆さん全員一気に相手しましょうか?』