第10章 未来への布石
「行くぜ!!」
マルコが消えたのを確認した男は男の武器なのか刀を持ちながらこちらに走ってくる。
周りにいるクルーたちは男を応援するために歓声をあげている。
勿論男の方も白ひげ海賊団のクルーたちも負ける気はしていないようだ。
相手は女だと軽く見ている。
その証拠に周りの歓声の中に"手加減してやれよー"と言っているものが何人かいるからだ。
『(女ってだけでここまで舐められるなんて…
どの世界でも女は男より弱いと思われてるってことね)』
男が目の前にまで来て恋歌に向かって刀を降りおろす。
恋歌の顔面すれすれで止めるつもりなのだろう。
勢いがそこまでない。
だが恋歌は降り下ろされる刀を鋼鉄化した右手で弾いた。
もちろん他のクルーたちにも男たちにも恋歌が長袖を着ているので何がおこったのかわかっていない。
「なんだ?今の…」
わかったのは金属音がして自分の刀が弾かれたということだけ。
生身の筈の手で。