第10章 未来への布石
白「さて、女お前何者だ?」
白ひげと二人きりになった瞬間に言われた言葉がこれだ。
『何者とは?』
白「惚けんじゃねぇ
お前がただ者じゃねぇぐらい見たらわかる
そんなただ者じゃねぇ女が一体ここに何しに来たのかと思ってな」
また恋歌は仮面の下で笑う。
『流石白ひげさん
でも私はこの船の皆さんに何も危害を加えるつもりはありません
先程の取引の話も本当です』
白「じゃあさっきのが取引ってぇんなら俺はその見返りにお前に何をすりゃいいんだ?」
『それは私と契約してくださるかどうかの時にお話しします
大したものではないのであんまり身構えなくても大丈夫です』
白「じゃあお前のその仮面の下の面も秘密か?」
『それも後ほど白ひげさんだけにお見せしますわ』
そしてその会話を聞いていたかのようにいいタイミングでマルコが準備ができたと呼びにきた。
呼ばれた先は広い甲板。
回りには沢山のクルーたちがいる。
恋歌は囲まれたような感じになってしまっているのだが、一斉に襲ってくるということはまだ無さそうだ。
隣にはマルコもいることだし。
『それで私はどなたと戦えばよろしいのですか?』
マ「まずはあいつと戦ってもらうよい」
マルコの視線の先には一人の男がいた。
原作には出てきたことがないので名前はわからない。
本当に一クルーなだけなのだろう。
『彼ですか?』
マ「ああ、あいつは一応俺たち隊長が稽古をつけてるなかで一番伸びてきてるやつだからな
いいかい?」
『用意していただいた相手に不満はありません
因みにお聞きしますけど武器の使用はありですか?』
マ「その背にある刀でも使うのかい?
まぁ武器の使用は自由だ
だがどちらかが死ぬ前に俺たちは止めるからな」
『人殺しはしませんのでご安心を』
マ「自分が死ぬかもっていう心配はないのかい?」
『ある人よりは先に死なないと約束してますので』
マ「そうかよい
じゃあ俺がここから離れたら戦闘開始とする!!」
最後の言葉はこの船に響くように告げられた。
辺りがしん、と静まりかえる。
数瞬後マルコは音もなく消えた。