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夢現

第9章 山賊たちの元へ


夕食後、エースと恋歌は久し振りにお風呂に一緒に入っていた。

エースが自分で入れると言い始めたから近頃は一緒に入っていなかった。

でも今日は自分から一緒に風呂に入りたいと言ってきた。

勿論拒む恋歌ではない。

しかし、お互いに会話はない。

恋歌がエースを後ろから抱き抱えているのでお互いに顔も見えない。

二人で浴槽に浸かりながら黙っている。

エ「なぁ…母ちゃん」

沈黙を破ったのはエースの方だった。

『何?』

エ「…怒ってる?」

『怒る?私がエースに?』

エ「だって明日俺ここ出て行くし…」

しゅんとしながら言うエースに恋歌はくすっと笑いながら目の前にある小さな頭を撫でてやる。

『私が今までエースぎ自分の決めたことを反対したことがあった?』

エ「ううん」

『エースのことを怒ったことがある?』

エ「ううん」

『じゃあ何が不安?』

エ「(不安?そっか…俺は)

母ちゃんに会えなくなることが、不安なんだ…」

『私に会えなくなること?』

エ「うん、だって母ちゃん綺麗だから変なやつに絡まれそうだし、森の変な動物に襲われそうだし、他にも…




俺のこと忘れたりとか…」

『確かに変な人に絡まれるかもしれないし、ここに住んでたら変な動物に襲われるかもね?

でも私が強いのエース知ってるでしょ?』

エ「うん…」

『なら大丈夫よ

それと一番最後のエースを忘れる?だっけ

あれが一番あり得ない』

エ「へ?」
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