第6章 エースの心情
そして昨日買い物から帰ってきたその日の夜になぜだか自分のことを呼んでくれないのかと聞かれた。
例えあいつが俺のことを息子だと言ってくれたとしても他のやつらみたいにいつ俺から離れていくかわからない。
それなら名など覚える必要はないと、そう思っていた。
だけど悲しそうに歪んだ顔をみたら、悪いことをしている気持ちになった。
"母"と呼んでもいいのかと聞いてみるとほしかった言葉をたくさんくれた。
俺を愛していると、俺と会えたことを嬉しく思うと、そう言ってくれた。
そして、俺が一番聞きたかったことも聞いてみた。
エ「俺は産まれてきてもよかったのかな?」
これが俺の一番聞きたいこと。
こいつに拒否されたらと思ったけど何故か拒否なんかされないっていう確信が確かにあった。
『もちろんよ』
予想通り返ってきた言葉は期待を裏切らないものだった。
こいつなら信じてもいいかなってそう思ったから
エ「ありがとう…
"母ちゃん"…」
とはじめて俺はこいつのことを呼んだんだ。
そこから記憶がなくて今起きたら母ちゃんの腕の中にいてるってことはあのあとどうやら寝てしまったらしい。
母ちゃんの腕の中はとても温かくて安心して眠ることができる。
柔らかい体も好きだ。
今日は不思議な力で遊んでくれると言っていた。
昨日"全てを捨ててでも"とか"変えたいと思えるあなたがいるからここにいる"とか気になることはたくさん言っていたからまた今度聞いてみようと思う。
とりあえずは母ちゃん起こして不思議な力を見せてもらおう。
今、俺は"シアワセ"なんだと感じさせてくれる人が側にいるのだから。