第5章 フーシャ村へ買い物
主語のない話し方に何を呼んでもいいのかと聞かれているのかわからなかった。
エ「俺があんたを"母ちゃん"って言ってもいいのか?
俺なんかが…っ!?」
そこまで言って恋歌に抱き締められエースは言葉を切らざるを得なかった。
『エース、私はあなたの母親としての役割を任せられている
でもそれは決してガープさんに言われたからだとか嫌々だとかそんなんじゃないの
私がエースを愛しているから、たとえ全てを捨ててでも変えたいと思えるあなたがいるからここにいるの
自分のことを"なんか"なんて言わないで
エースはお父さんのことをよく思っていないかもしれない
でもね、エースのお父さんがいなければあなたはこの世に産まれてくることはなかった
産まれてこなければあなたと私が出会うこともなかった
だから私はあなたのお父さんとお母さんに感謝してる
産んでくれてありがとう、出会わせてくれてありがとうって
そんなことを思う私をエースは馬鹿げてると思う?』
そう聞かれてエースは恋歌の腕の中で大きく首をふった。
エ「お、俺も…っ、会えてよかっだっ…」
声からしてエースは泣いているようだ。
エ「俺はっ、産まれてきちゃいけない存在なんだと思ってた…
今海賊たちがいっぱいいるのは"海賊王"のせいなんだって
俺は産まれてきてもよかったのかな?」
その言葉に恋歌は満面の笑みで答えた。
『もちろんよ』
エ「…っ、ありがとう…
"母ちゃん"…」
その言葉を最後にエースは眠ってしまった。