第22章 デート
エ「そっか…疑って悪かった」
ニ「いいえ、信じてもらえたならよかった
それで教えてくれるの?」
エ「俺より恋歌の方が詳しいから恋歌に聞きな」
ニ「恋歌が?
あなた海賊なの?」
『私は海賊じゃないよ
桜姫の情報か…
知ったところでその天竜人を倒したときは奴隷のことなんか考えてなかったと思うよ?』
ニ「知ってるわ
だって天竜人を殴ったら消えてしまったもの」
『エースとサボはどう思う?』
ニーナに教えるべきかどうかをエースとサボにも判断してもらおうと問いかける。
エ「俺は恋歌が良ければいいと思う
悪いやつじゃないんだろ?」
サボ「俺もエースと同じ意見だ
ニーナは言いふらしたりもしないと思うし」
二人は恋歌の判断に任せるようだ。
『わかった
じゃあニーナ、桜姫の正体を教えてあげる』
ニ「誰が桜姫なのかまで知ってるの!?
貴女何者?」
『何者というか本人だからね
知ってるというかなんというか…』
ニ「は?」
ははは、と笑っている恋歌を見てぽかんとするニーナ。
サボ「ニーナ、間抜け面になってるぞ」
ニ「誰が桜姫だって?」
サボ「だから恋歌」
ニ「嘘…」
エ「嘘じゃねぇよ
恋歌見せてやれば?」
エースに促されていつも通り桜姫の姿に変わる。
『できればこのことは内緒に…わっ!!』
内緒にしてほしいと言う前にニーナが恋歌に飛び付いてきた。
ニ「会いたかった!ずっとお礼が言いたくて生きてきたのよ!」
『そんな大袈裟な』
ニ「大袈裟なんかじゃない
私は貴女に命も運命も救われた
だからこそ貴女に会うことが私の次の生きる希望だった」
『ニーナ…』
ニ「桜姫が恋歌だっていうのはびっくりしたけど貴女でよかった
ありがとう…本当にありがとう!」
恋歌に抱きついたまま泣き出したニーナを背中を擦って慰める姿をエースとサボは嬉しそうに見ていた。