第22章 デート
宿屋についてエースの部屋に四人で入る。
エースは元からある椅子に背もたれを前にして座り、ニーナと恋歌はベッドに腰掛け、サボはエースの後ろの机の上に座っていた。
ニ「ここにサボの言ってた人が来るの?」
サボ「いや、情報を持ってるのは俺たち三人さ」
ニ「どういうこと?」
サボ「俺たち三人はその人に関する情報は持ってる
だけど外じゃ話せない
だからここな連れてきたんだ」
エ「何の話だ?」
『ニーナが人を探してるんだって
私たちも知ってる人みたいだけど』
サボ「話してやれよ
話しにくかったら俺が言うけど」
ニ「…自分で言うわ
恋歌とエースに聞いてもらわなきゃ情報くれないんでしょ?」
サボ「まぁそれはこの二人次第だな」
ニ「いいわちょっとでも可能性があるのなら…
実は…私…昔は…天竜人の奴隷だったの」
『え?』
ニ「まだ幼かった頃に誘拐されて人身売買されて天竜人に買われた
特別な力とかはなかったんだけど実験体にされて不思議な力を持ってしまった
それで成功例とされた私は余計に逃げることができなかった
でもある時私は天竜人から逃げ出すことができた
ある人のお陰でね…
その人は特に私たち奴隷を助けるつもりはなかったんだと思う
でも実際何人もの奴隷だった人たちは助かったわ
私もその中の一人
だから会ってお礼を言いたいの」
エ「大変だったんだな…」
ニ「でもその人は神出鬼没で顔すらもわらない
本当の名前だってわからないの」
エ「じゃあどうやって探すんだ?」
ニ「一応指名手配はされてるの
なにせ天竜人を相手にしたんだからね」
エ「そいつの名前は?」
ニ「桜姫
名前ぐらい聞いたことあるでしょ?」
ニーナから探している人物の名前が出た瞬間エースが固まった。
恋歌は途中から薄々感ずいていたのかあまり反応はない。
エ「桜姫ねぇ…」
ニ「お願い!知っていることはなんでもいいの!
あの人に会ってお礼が言いたいだけ」
エ「あんたが本当に奴隷だったっていう証拠は?」
サボ「それは俺が信じたよ
背中に竜の蹄の烙印も残ってた」