第22章 デート
恋歌は俯いて拳を握りしめる。
「なんだ!本当のこと言われて何も言い返せないか?」
エ「あんたその辺にしといた方がいいぞ」
エースが実況を殴ったあともそこにいたので女に忠告をする。
「ふん、なにが火拳のエースだ
所詮綺麗な顔した女には弱いんだろ」
エ「俺のことはあまり言わない方が…」
冷や汗をながし始めたエースはずっと黙っている恋歌を恐る恐る見る。
エ「(怖っ!!)」
恋歌の回りには黒いオーラのようなものが見える。
『エースまでバカにしましたね?』
「本当のことを言ったまでだ!」
『貴女がエースの何を知ってるっていうんです?』
「知らないさ、でも男なんて綺麗な女にはみんな鼻の下伸ばす生き物なんだよ」
『エースのことを何も知らない貴女がエースを語らないで!』
普段滅多に怒鳴らない恋歌が女に向かって声を荒らげる。
『誰がエースを好きでもないのに指輪のためにこれに参加したって!?』
恋歌の右腕から純白の翼が生えてくる。
『私は今も、この先もエースしか好きにならない!!』
そしてその羽を鋭く尖らせて女に向けて放つ。
無数の羽が女を切り傷だらけにしていく。
「わ、わかった!!悪かった!
参った!」
女が恐怖で負けを宣言するとピタッと攻撃が止む。
『二度とエースを悪く言わないで』
《しょ、勝者恋歌!!》
恋歌が裏に戻ると全員がぽかんとした表情を浮かべていた。
エ「恋歌」
エースも戻ってきて頭を撫でられる。
『えっと…あそこまでするつもりじゃ…』
エ「相変わらず俺たちのことになると怒ってくれるんだな」
『だって…エースが女にだらしないみたいな言い方されたから…』
エ「嬉しかった
今もこの先も俺しか好きじゃないって言ってくれた」
『あ、あれは!その…///』
エースは頭の上に乗せていた手を恋歌の頬に滑らせる。
エ「俺もだよ
俺も今も、これから先も恋歌しか愛せない」
『エース…///』
あと少しで唇が重なるというときに実況に恋歌の名前が呼ばれた。
ここが外であると思い出した恋歌は急いで表に出ていく。
エ「やっぱ人目があると無理か…」