第5章 フーシャ村へ買い物
恋歌はゆっくり残った男を振り返る。
「く、来るんじゃねぇ!
この"化物"!!」
男が発した"化物"という単語に腕の中のエースがぴくっと反応した。
それに恋歌は気づいたが、エースの頭を撫でるだけにした。
『さて、エースをくそガキ呼ばわりしたこと、手を出そうとしたこと、何より…
最初エースにわざとぶつかりましたよね?』
「なん、何でわざとって…」
『私に気づいてエースを狙ったのかはわかりませんが私はエースが他の人に当たらないように細心の注意を払っていました
普通の方たちはエースの側まで来ると大概の方は気付き、避けてくださっていました
あなたを除いては』
その言葉に男は真っ青になった。
『何をいらいらしていらっしゃったのかは存じ上げませんし、興味もありませんがエースにわざとぶつかって転ばせたことは許されることではありません
弱いものをいじめようとして楽しかったですか?
しかも周りの"オトモダチ"の方たちがいないと一人で行動もできないような方はエースに触れないでもらえます?
虫酸が走るので』
そこまで言って槌を出した。
『満、満、満』
恋歌の身の丈以上に大きくなった槌を片手で持っている恋歌を見て男は口を開けたまま固まる。
『ちょっと潰れて反省してください』
また恋歌は笑って槌を男の上に降り下ろした。