第22章 デート
エ「ふぅ、食った食った」
かなり満足な様子でエースはお腹を擦る。
食べ歩きをするとエースのお腹はきりがないので近くの人があまりいないところに座って食べていた。
『もういいの?』
エ「ああ!!白ひげ海賊団ってだけで結構おまけもしてもらったしな」
『いい人たちだね』
エ「そうだな」
恋歌はエースの口に何かついているのを見て持っていたハンカチで拭いてやる。
エ「何かガキみたいだな」
『なんか癖が抜けなくて』
エ「いいさ、こうしてもらえるのも昔は恋歌の息子だったっていう証だからな」
『今もよ』
エ「へいへい、息子兼彼氏な」
笑うエースに恋歌もつられるように笑顔になる。
エ「せっかくの祭だし何か見に行くか」
『うん』
それから二人はいろいろな出店を回った。
射撃をしては百発百中のエースに店のおじさんに泣かれ、ヨーヨー釣りは恋歌の糸が中々切れなかったので終わりそうになく、金魚すくいも同じでポイが破れなかった。
輪投げも全部思ったところに入るし、くじ引きでは一等を当ててしまう。
エ「まったく恋歌は屋台泣かせだな」
『エースだって射撃のおじさん泣かしてたよ』
エ「俺はひとつだけ
あと全部は恋歌だろ」
可笑しそうに笑うエースに恋歌は頬を膨らます。
『エースだってやろうと思えばできたくせに』
エ「楽しそうな恋歌見てるだけで十分だよ俺は
そう拗ねんなって」
頭を撫でられる恋歌は不服そうだが少し嬉しそうだ。
エ「おっ、あっこ入ってみねぇ?」
『え!?あれ?』
エースが指差したのはお化け屋敷と書かれた大きめの屋敷だ。
エ「嫌いか?」
『嫌いっていうか苦手っていうか…』
行きたくなさそうな恋歌を見て意地悪な笑みを浮かべたエースは無理矢理引っ張っていく。
『エース!』
エ「大丈夫だって
作りもんなんだから」
恋歌をお化け屋敷に連れていったことをいろんな意味で後悔することになるとはエースはこのときは思っていなかった。