第22章 デート
入ってみると薄暗い照明と作り物のお化けたち。
しかしそんなものよりも心臓を掴んでいるものがエースの腕に引っ付いていた。
エ「なぁ…ちょっと近すぎねぇ?」
『そ、そう?』
エースの腕を抱き締めるように引っ付いているのは恋歌。
怖いのか回りをきょろきょろと忙しなくみながら歩いている。
エースとしては嬉しいのだが胸が自分の腕に押し当てられているため心臓が飛び出そうだった。
しかも一回一回驚くたびに引っ付く力は強くなっていく。
エ「もしかして恋歌ってお化けとか信じてる?」
『べ、別に信じてないよ』
エ「へー、そう
じゃあこの手は?」
『これは…その、エースが怖いかなって』
エ「俺別に怖くないし普通に手ぇ繋ぐか」
エースが恋歌を一度剥がした。
だがすぐにくっついてくる。
『やだ!』
今度はエースのお腹に引っ付いた恋歌を見てエースは固まった。
エ「(やだって…めっちゃ可愛い…///
でも俺の理性の方がヤバイような…)」
『腕組んでちゃだめ?』
お化け屋敷の中にある提灯の明かりで恋歌の顔が少しだけ見える。
若干涙目のようで目尻が光って見える。
エースは目をうるうるさせながら見上げてくる恋歌を見て鼻を押さえた。
エ「(恋歌ってこんな可愛いかったか!?
ヤバイって!俺がヤバイって!!)
わ、わかった腕ぐらい組んでいいから!!
とりあえず離れてくれ」
このままだとエースの何かが崩れてしまいそうになるため急いで恋歌を離れさした。
『ここ終わるまででいいから』
エ「(ここが終わる前に俺が終わるって!)」
なんとか恋歌を意識しないようにお化け屋敷を進んだがエースには永遠に終わらないんじゃないかと思うぐらい長かったという。