第5章 フーシャ村へ買い物
買い物に行こうと外に出たのはいいが、昨日リナリーの黒い靴で見渡したときに見つけたフーシャ村に行こうと思ったのだが、今恋歌が住んでいる家から村までは徒歩では遠いことに気づいた。
『近くの村、意外に遠いよね…
しかも山道…』
エ「あんた今までどうやって生活してたんだ?」
そのエースの疑問は当然だろう。
自分の家なのに村が遠いとか、山道だとかは住んでいれば慣れてきたりするものだ。
『え?
えっといつもはまぁ…』
そこで言い訳が見つからず焦ってしまう。
『(でも買い物にはどうせ何回も行かなくちゃならないんだしエースになら私の力のこと見せても大丈夫だよね)
実はね、私こう見えて不思議なことができるの』
恋歌はなるべくエースに分かりやすいように言葉を選んでエースの目線に合わせるためにしゃがみながら話す。
エ「不思議なこと?
なんだそれ」
首を傾げながら聞いてくるエースの頭を一撫でして恋歌は繋いでいた手を離して立ち上がり数歩エースから距離をとる。
『【黒い靴(ダークブーツ)発動】』
その言葉が終わると同時に恋歌の履いていた靴が赤いニーハイブーツに変わった。
その光景をエースを目を見開きながら見ている。
ダークブーツの発動によって吹いた強風がエースの髪を撫でた。
『さて、これで行こうか』
発動の風でエースに何か被害が行くかと思い離れたが案外他人に被害はなさそうだ。
恋歌はまたエースに近寄りエースを抱き上げる。
エ「それ…何なんだ?」
まだ少し唖然としているが靴が急に変わったことについて聞いてきた。
『これはねぇ空を飛べることができるの
しかも結構スピード出るからすぐ村まで行けるよ』
とは言っても最速何かで行ったらエースが気絶するかもしれないのでそんなことはしないが。
恋歌が地面を軽く蹴るとすぐにその辺の木よりも高い位置まで上昇した。
『しっかり掴まっててね』
その言葉にエースが自分の服をぎゅっと握ったのを確認すると目を瞑ってた方がいいかも、とエースに声をかけて空中を蹴り、村まで駆けていった。