第20章 ドラム王国
恋歌が次に目が覚めたのはどこかの建物の中だった。
体を起こして回りをみようとした。
すると横に誰かの気配を感じた。
後ろ姿しか見えないがピンクの帽子を被っていて、角があり、二本足で椅子の上に立っている。
『あの…』
恋歌が声をかけるとびくっと肩を揺らしてゆっくり振り返る。
『一緒にいた男の子二人どこにいる?』
心配なのは二人のこと。
サンジは酷い怪我をしているのを直接見たし、ルフィも凍傷になったはずだ。
だが、そう聞いただけなのに勢いよく後退り、本棚に体をぶつけていた。
衝撃で本がたくさん落ちてくる。
そしてそのまま隣の部屋らしきところに逃げ込んだ。
しかし…
『それ…逆だよね?』
隠れているつもりなのだろうが体の半分以上が見えてしまっている。
寧ろ隠れている部分の方が少ない。
言われて気づいたのかすぐに直す。
『あの…貴方が看病してくれたの?』
「うるさい人間!
それとお前熱大丈夫か?」
『うん、もうだいぶ楽よ
ありがとう、心配してくれて』
恋歌がそう微笑めばどこをどう驚いたのかまた勢いよく後退り、隣の部屋のものを倒した。
その物凄い音を聞き付けて一人の女性が入ってきた。
「うるさいよ!チョッパー
熱は多少引いたようだね、小娘
ハッピーかい?」
サングラスをかけて酒瓶を手にした女性。
『(この人がくれはでドクトリーヌ…)
貴方は?』
一応名前だけは聞いておく。
くれはは恋歌の額に人差し指で触れた。
く「36度2分…あんた何者だい?
いくらあたしの薬がよく効くからってここまで回復は早くないはずだよ」
『そうですか
私はどこにでもいる小娘ですよ
ドクトリーヌさん』
く「おや、あたしの名前を聞いておきながら知ってるんじゃないか」
『この国唯一のお医者さんだと聞いてますから』