第20章 ドラム王国
ル「着いたら起こしてやるからよ
今は寝とけ」
サ「そうだぜ?
起きてたら体力つかっちまう」
『ありがとう、二人とも
何かあったら起こしてね
一時間ならもつから』
二人の気遣いに甘えることにして恋歌は意識を落とした。
サ「レディはソフトに扱うもんだぜ」
今までとは違う浮遊感とルフィの焦るサンジを呼ぶ声に恋歌の意識が戻った。
スローモーションで流れる景色。
岩にぶつかりサンジが雪に埋もれていく。
朦朧とする意識の中で今自分にできることを考える。
『ルフィ、サンジさん見失わないでね』
ル「恋歌!?」
『【ダークブーツ発動】』
いつもならどうってことのない発動も発動しただけで意識が飛びそうになる。
ル「恋歌、止めろ!」
『サンジさんを助ける方が先よ
早く!長くはもたないわ』
どんどん流されていくサンジの手をルフィが引っ張って抱える。
それを確認した恋歌は先ほどの岩に戻った。
ル「サンジ!」
起きる気配のないサンジをルフィは揺すって起こそうとする。
『ルフィ、揺すったら…だめ…
ごめんね、私も…これ以上は…』
ル「おい!恋歌!
母ちゃん!!」
恋歌に聞こえたのはそれが最後だった。