第19章 麦わら海賊団へ
ふと頭に冷たい物が乗った気がして恋歌は目を開ける。
ナ「あ、起こしちゃった?」
側にいてくれたのはナミで冷たい感触は頭のタオルを変えてくれたのだろう。
『いえ、すみません…』
いきなり来た自分を看病してくれるナミに申し訳なくなって咄嗟に恋歌は謝った。
そんな恋歌を見てナミは笑う。
ナ「なんで恋歌さんが謝るのよ
ほんとうちの船長と姉弟だとは思えないわ」
『見ず知らずの私の看病などさせてしまって…』
高熱のためすぐにタオルを変えるナミがタオルを取って出てきた額にデコピンを一発入れた。
『いたっ…』
ナ「見ず知らずの私の病気を受け取ってくれたのは誰かしら?
そんなお人好しもこの世にいるんだから見ず知らずの人を看病するぐらいどうってことないわ」
笑顔で言ってくれるナミに恋歌も精一杯微笑んだ。
『ありがとうございます』
恋歌は腕を使って自分の体を起こした。
ナ「ちょっと!そんな無茶したら…」
『大丈夫です、私丈夫ですから
それよりひとつ頼みを聞いてもらってもいいですか?』
ナ「なんかルフィと姉弟っていうの少しだけ納得したわ…
何?」
『ルフィを呼んできてほしいんです』
ル「恋歌!!あだっ…!」
ナ「静かにしろって言ってんの!」
大声で名前を呼んだ上に扉を勢いよく開けたことでルフィはナミに殴られていた。
ル「悪かったよ
恋歌起きてて大丈夫なのか?」
ナ「本人が大丈夫だって言うのよ
こういうむちゃくちゃなとこはあんたたちそっくりね」
呆れたように言うナミに恋歌は苦笑いを浮かべる。
『そうですか?』
ナミは今まで座っていた椅子に座る。
ルフィは恋歌の寝ているベッドの横に新しい椅子を引っ張ってきてナミとは反対側に座った。
そして恋歌の額に手を当てて顔をしかめた。
ル「まだ熱ぃな…」
ナ「だから寝てなさいって言ってるんだけどね」
『今は体の中で病原菌を抑えつけてるんで大丈夫です
長い時間はもたないんですけど』
ナ「不思議なことできるのね
あいつらに聞いたんだけど詮索はしないことが条件みたいだから私も詳しくは聞かないけど」
『ありがとうございます』