第19章 麦わら海賊団へ
恋歌がキッチンを去った後そこには痛いぐらいの沈黙が流れていた。
普段騒がしいルフィが悲痛そうな顔をしているので空気が重くなっているのだ。
ル「俺は…どっちにも辛い思いをしてほしくない…」
ゾ「そりゃ全員同じ意見だ
だが、本人たちが了承した以上はあとは船長であるお前が決めろ」
サ「俺たちももちろんそれに従う」
ウ「例えどっちが病気だろうと俺たちは全力で医者を探す」
三人の力強い言葉にルフィは涙を流す。
ル「あいつは…恋歌は…いつもいつも俺たちのために体を張ってくれる!
昔から!ずっとそうだ!
自分が傷ついても笑って…俺たちが無事ならそれでいいって…!!
今回だって!!…俺に頼まれたからって…
でもナミも大事な仲間だ!失いたくねぇ!
だから!!」
ルフィは三人に頭を下げて涙をポタポタと地面に落とした。
ル「恋歌に酷いことを頼むのはわかってる!
だから!!頼むから俺に力を貸してくれ!
俺は恋歌も失いたくねぇんだ…」
必死に懇願するルフィの姿を見てゾロは呆れたようにため息をついた。
ゾ「そんなこと言われなくてもやってやる
船長なんだから俺たちにもっと頼ればいい
助けたいと思ってんのはお前一人じゃねぇんだ」
サ「それにあんな優しい美人を長い時間苦しませる訳にはいかねぇからな」
ウ「美人関係ねぇだろ!
でも俺も助けになるぜ!このウソップ様がついてるんだ
安心しろ!」
ゾ「一番安心できねぇな」
ウソップが胸を叩いて大見得をきっていたがゾロに一刀両断されていた。
ウ「なんだと!?」
ル「あ、ありが、どう!!」
ルフィの涙声での感謝に全員で笑った。
キッチンでの話し合いの後男性陣がナミの部屋に戻ってきた。
『決まった?』
ル「ああ」
恋歌はルフィの赤い目を見て泣かしてしまったのかと少し心が痛くなった。
ル「恋歌、ナミを助けてくれ!」
ルフィの言葉とともに頭を四人で下げる。
サ「俺たちからも頼む」
ウ「絶対に医者を見つけてみせるから」
やっぱりいい仲間だなと恋歌は嬉しくなり、全員に笑った。
『了解しました』