第4章 初日終了
受話器を置いた瞬間に寝室の扉が壊れるんじゃないかっていうぐらいに勢いよく開いた。
『エース?』
そこにはさっきまで恋歌のベッドで寝ていたエースが少し焦ったような表情を浮かべながら立っていた。
エ「…いた」
そう呟くとエースは安心したように表情を緩めた。
そんなエースに恋歌は近付いて目線を合わせるようにしゃがみこんだ。
『どうしたの?
怖い夢でも見た?』
するとエースは恋歌に勢いよく抱きついた。
何の準備もしていなかった恋歌は二歳とはいえタックルとも言える抱きつかれ方で受け止めきれずエースを受け止めながら尻餅をついた。
まさか抱きつかれるとは思っていなかった恋歌は困惑してしまったが何とか自分の胸に顔を埋めている小さな頭を撫でてやる。
『言いたくなかったらいいんだけど』
エ「…った」
エースが小さな声で何かを呟いた。
『ん?』
聞こえなかったためもう一度促すと今度は先ほどより大きな声で返事が返ってきた。
エ「あんたが俺をおいていったと思った…」
『私がエースを?』
そう聞くと返ってくる頷き。