第4章 初日終了
エ「目が覚めたら誰もいてなくて急に不安になって、もしかしたらまた俺置いていかれたのかもって…」
"また"ということは前にも置いていかれたことがあるのだろうか。
こんな小さな子どもが独りぼっちになってしまう恐怖。
孤独とはいくつになっても辛いもの。
ましてやこんな小さな子ならば尚更。
恋歌はエースの頭を撫でながら言い聞かせるように話す。
『ねぇ、エース?
私がさっきどんなことがあろうと私はあなたの味方って言ったこと覚えてる?』
エ「…うん」
『なら、私があなたの母親がわりになると言ったことも?』
エ「うん…」
『エースも私のことを家族って言ってくれたよね?』
エ「うん…」
『それなら私を信じて』
エ「え?」
『私はどんなことがあろうと私はあなたの味方だと約束した
あなたの母親がわりになると言った
あなたはわたしを家族だと言ってくれた
私は絶対に自分の息子は裏切らないし自分の言葉も曲げない
あなたの母親になると決めたからにはこの命尽きるまでそうする
あなたを置いて消えることは絶対にない
例えあなたの前から一時いなくなったとしても必ず会いに行くわ
私を信じてくれる?』
エースは目に涙を目一杯貯めながら何度も頷いている。
エ「うん…うんっ!」
『エース、今日は泣いてばかりね
男の子なんだから泣いちゃだめよ?』
少しからかいながら恋歌がそう言うと泣き顔を見られまいとエースは顔をさらに恋歌の胸に埋める。
そんなことは気にせずに恋歌はエースの頭を撫で続ける。
『今はこうやって目一杯甘えてほしいけどね』
その呟きは泣いているエースに届いたかどうかはわからない。