第15章 ゴア王国
ルフィのペンダントの気配を辿ってみればそこには山賊たちがダダンとエースを心配してグレイ・ターミナルに向かって叫んでいた。
ル「エースー!!」
『ルフィ』
ル「かぁ、じゃねぇ…桜姫!!」
泣きながら叫んでいたルフィに声をかけると嬉しそうに振り向いた。
山賊たちは"桜姫"という存在を知っているようで何故こんなところにいるのかと驚いている。
抱えられていたルフィは下ろしてもらうと恋歌に飛び付いた。
ル「エースが…
ダダンが…
戻ってこねぇ!」
『大丈夫よルフィ
二人は必ず戻ってくる
ダダンさんが約束してくれたでしょう?』
ル「でも!でも!!」
『信じて待つことも必要よ
二人はこんな火事でどうにかなるほど柔じゃないわ
それはわかってるでしょ?』
ル「わかってるよ…」
『私はダダンさんを信じてエースを置いてきた
ほんとは抱えてでも逃げたかった
でもそれはエースの意思を無視することになる
それだけはしたくなかったから…』
ルフィは強く握られた恋歌の拳を見て辛いのは自分だけではないと悟った。
ル「わかった!
俺二人が帰ってくるの待つよ!
ダダンとエースが火事なんかに負けるわけねぇよな!」
励ますかのように明るく言うルフィに恋歌は少し心が軽くなった気がした。
『ルフィ、怪我見せて』
斬られた額の傷を治してやる。
『はい、もういいよ』
ル「やっぱすげぇなぁ!!
ありがとう!」
あっという間に治った決して浅くはなかった傷に山賊たちは驚いた。
『ちょっと私行くところがあるのでルフィのことお願いしますね』
そしてまた恋歌はどこかに消えた。