第15章 ゴア王国
だが、その銃弾はエースに当たることはなかった。
ダ「止めねぇか、海坊主」
ブルージャムの銃口を変えてエースに当たらないようにしたのは手下と一緒に助けに来たダダンだった。
ドグラが傷ついたルフィを抱え、マグラがエースの腕を掴む。
ダ「何の因果かそいつらの仮親登録されちまってね
例え仮でも子の命が取られようって時に指をくわえて見てる親はいねぇ!
このまま引きゃよし、引かねぇなら腕ずくで片付けるしかねぇ!」
山賊たち全員が武器を構える。
ブ「やってみな」
ダ「そうかい…
さぁて…
逃げるぞー!!」
睨みあったかと思えばダダンの合図で一斉に逃げ出す山賊たち。
だが、逃げていないのが一人だけいた。
エ「俺は…
逃げない!!」
その姿に何を思ったのかダダンは手下たちにだけ先に逃げるように言った。
自分はエースを必ず連れて帰ると約束して。
ブ「少し腕に自信があるぐらいで過信すると血を見るぞ?」
ダ「はん、望むところさ
ところであの白いやつは一体誰なんだい?」
黙って山賊のやり取りを見ていた人物に気づいたダダンはエースに問う。
エ「知らねぇのか?
"桜姫"ってやつ
今は俺たちの味方だがな」
ダ「"桜姫"だって!?
なんでそんなやつが…」
『ダダンさんあなたにひとつ頼みがあります』
急に名指しで呼ばれたダダンは驚いたがしっかりと話を聴く。
『私はこの火をなんとかしてきます
ですのでエースを頼みたいのです
お願いできますか?』
こんな大火事をどうやってなんとかするのかはわからないが断ってはいけない気がしてダダンは頷く。
『ありがとうございます
それでは』
そして三人の目の前から"桜姫"は消えた。