第15章 ゴア王国
次の日の早朝。
サボはいつも通りの住人たちにあの火事の話は嘘なのではないかと安心し始めた。
だが、恋歌がそんな嘘をつくはずがないと思いつつ、嘘であってほしいと矛盾が生まれる。
だがその願いは儚く散ることになる。
数人の住人に火事のことを聞いてみたがどの住人も知っていて人が死ぬのを黙って見ている。
高町に住む自分達が特別な人間だと信じ、ゴミ山に住む人たちが死のうが関係ない。
そんな貴族たちにサボは恐怖すら覚えた。
サボはエースとルフィに逃げるように知らせようとしたが途中で兵士に見つかり逃げていた。
何度も転び、一人の男にぶつかり捕まってしまう。
そしてサボの父親が迎えに来ると家まで連れて行かれある部屋に閉じ込められた。
父「全く要らぬ世話をやかせおって
本当にダメな息子だな
やはり養子をとって正解だった」
サ「開けてくれお父さん!
俺は行かなきゃいけないんだ!
助けなきゃいけないやつがいるんだ!
お父さん!お父さん!開けてくれ!!
俺は…!
(母さん…!!)」
サボはペンダントを握り締めながら強く恋歌を呼んだ。
『呼んだ?』
後ろから見知った声。
振り向けば今呼んだ人物がいつもとは違う姿で立っていた。
サ「母さん…か?」
『そうよ
今は"桜姫"って呼ばれてる方のかっこしてるけど
言ったでしょ?
そのペンダントで呼べばこの姿で助けに行くって
呼んでくれたってことは決まったのかな?』
サボは涙を拭って真剣な目で恋歌を見つめる。
サ「ああ
俺の意思は決まったよ」
『聞かせてもらってもいいかな?』
サ「こんな腐った連中殺さして人を殺したことのない"桜姫"の手を汚させるまでもないよ」
サボは笑顔でそう言ってくれた。
『そう、なら私はこの町の人間は誰も殺さないわ
もう間もなくグレイ・ターミナルの火事が起きる
サボ、あなたの望みは?』
サ「頼む!
あいつらを!エースとルフィを!!
助けてくれ!!」
『任せて』
すがり付いて頼むサボの頭を一撫でして来たときと同じように一瞬で消えた。