第15章 ゴア王国
『あなたが望むならグレイ・ターミナルを燃やされる前にこの国を私が燃やしてあげる
王宮も高町も端町も全部グレイ・ターミナルと見分けがつかないぐらいにね
私は自分の為だけの意思では力を使わない
でもエース、ルフィそしてサボ
あなたたちがそれを望むならなんだってする
むしろ私を動かせるのはこの三人だけ
この家だけを壊したいのならそうする
国をなくしたいと言うのなら
躊躇なくこの国を潰す』
サボは言われたことの大きさに頭がついていかなかった。
今自分の言葉ひとつでこの家どころかこの国が消える。
それは自分が望んでいることのようで、全然違うもの。
ス「ちょっと待て!!
一体なんの話をしてるんだ!
お前なんかにこの国が潰せるわけないだろ!?」
『あなたが私の何を知っていると?
そうね、しいて言うならばあなたを殺すことぐらいこの国を潰すことは容易いの
まぁそれはサボの意思で決まるけれど』
ス「普通の人間にはそんなこと不可能だ」
『普通の人間ならね
生憎と私は普通ではないの』
ス「…お前もあのゴミ山に住んでるのか?」
『ええ』
ス「はっ、じゃあお前もこの国の汚点じゃないか
つまりはお前も要らない存在だ!
そこの"お兄様"のようにな!!」
わざとらしくサボのことをお兄様とよぶステリーに恋歌はため息をついた。
『あなたが子どもでよかった』
ス「?」
『子どもでなければあなたを殴ってしまいそうだから』
恋歌は笑顔でそう言ったがステリーの背中には悪寒がした。
『サボ、今すぐに決めろとは言わないわ
でも時間がないから待てるのは明日まで
あなたがどんな決断を下しても別に構わないわ
それがあなたの意思なら』
サ「わかった…
じゃあ取り敢えずこの町の住人の反応を明日見てみてから決断する」
サボはいつもの服を着て窓を開けた。
サ「こんなところにいても何にもわかりゃしないからな」
『そうね
サボがいなくなるというのなら私もここには様はないわ』
そして二人で窓から屋敷の外に飛び出していった。
唖然とするステリーを残して。