第15章 ゴア王国
『親が子どもを愛するのは当然です
好きに生きさせてやればいい
好きなことをやっている子どもの笑顔が一番生き生きとしているのですから』
男「だからそんな子どもが育つんだ!
好きなことをやらせてやる余裕などないのだ!!」
『家出を自分の子どもにされたあなたに言われたくないですね
さて、そろそろこの時間も無駄ということに気づいてきたので最後にあなたにひとつだけ教えといてあげます
私、子どものことをバカにされるのが一番冷静さを無くすので覚えておいてくださいね』
微笑みながら足を降り下ろした。
男は衝撃を覚悟して目をきつく閉じ、腕を頭の上で交差させていたがいつまでたっても衝撃がこない。
恐る恐る目を開けてみるとそこには恋歌の腰に抱き着いている三人の子どもの姿があった。
エ「母ちゃん…やりすぎだ」
サ「ほんと怒らすとこえぇな」
ル「母ちゃんこえぇよー!!」
エースとサボには呆れたようにため息を着かれながら言われ、ルフィは恋歌に抱きついたまま恐いと言いながら泣いている。
『あら、まさか皆で止めにくるとは思ってなかったなぁ
この状況は嬉しいんだけどね』
三人が抱きついたことで恋歌の雰囲気がいつも通りのものに戻り兵士たちは気が抜けたのか大きく息を吐いている。
恋歌を止められたのも見知った気配だから注意を払っていなかったためである。
エースとルフィは段々と力の抜けていく兵士を振り払ってここまで来た。
『今回はこの子達に感謝することですね』
腰の抜けたまま立ち上がれない男を見下して恋歌は冷たく告げる。
男「貴様覚えていろよ!
今私にサボを返さないとその二人がいつどこで襲われるかわからんぞ!?
まさか四六時中見張っている訳にもいくまい?」
男は名案とばかりに勝ち誇ったような表情で告げる。
『ならばここで私たち以外を全滅させたらいいってことですね』
最早無茶苦茶なことを言う恋歌にエースとルフィが慌て出す。
エ「待て待て待て!!
俺たちなら大丈夫だから!」
ル「そうだ!
俺たちは強いんだ!」
『でも…』
納得していないような恋歌に何かを決意したらしいサボが三人に話しかける。
サ「大丈夫だよ
俺が家に帰れば済む話だから」