第15章 ゴア王国
男が苦しそうにもがいていたため恋歌は仕方がないとばかりに手を離して男を地面に落とす。
『ほんと大の男の大人が情けないですね
こんな小娘一人にも勝てないような情けない大人が自分の子どもを自分の幸せのためだけに利用するなんて馬鹿げてます
子どもが何も感じていないとでも思ってます?
貴族がどうだとか将来を気にする前にまずは自分の子どもと向き合ったらどうです?
その子が幸せなら家出なんかしないでしょう
幸せではないからあなたの家から出ていったのでしょうしね』
男「ふざけるな!
お前に何がわかる!?
貴族とお前らゴミを一緒にするな!!
お前みたいな化物に私が敵うわけないだろう!?」
『同じ命あるものです
貴族もこの山に生きている私たちも何も変わらない
ゴミと呼ばれようと私たちは生きています
それから私を化物呼ばわりすることは私にとっては誉め言葉なので』
男「はっ!
ゴミと私たち貴族が同じ命だと!?
冗談にしてはきついな!
対等であるはずがないだろう!?
優先されるべきは地位の高い人間!
自分の子どもを利用して高い地位につこうとすることの何がいけない!」
恋歌はダークブーツを発動させて男の横の地面に踵落としを決めて地面をへこませた。
男「ひぃっ…!」
『ほんとなぜあなたのような人からサボのような子が産まれてきたのか皆目検討もつきませんね
次、今と同じようなことを言えば当てます』