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夢現

第3章 2人での生活の最初


『?』

恋歌が申し訳なさそうな顔をするエースを疑問符を浮かべながら見る。

エ「あんたの分…俺が食っちまった…」

エースは恋歌の分も料理を食べてしまったことを申し訳なく思っているようだ。

しかし恋歌はそんなこと、と言って笑った。

『言ったでしょ?

これはエースに食べてほしくて作ったものなんだからエースが食べていいんだよ』

エ「でもそれじゃあ…」

『大丈夫大丈夫

この家には何かしら食べ物があるから』

エ「ごめんなさい…」

『ねぇ、エース?

私はあなたと家族になりたいの

家族に遠慮は必要ないと思わない?

ましてや私は母親なんだから息子第一

元気に育ってくれればそれでいいの』

エースはその言葉にまた泣きそうになる。

そして何かを決意したような目をしながら恋歌に告げる。

エ「俺、強くなってあんたにたらふく飯食わせてやるよ!

か、家族だからな!」

最後の方は恥ずかしそうに顔を赤くして言った。

でも今度泣きそうになったのは恋歌の方だった。

というかもう泣いている。

『今、家族って言ってくれたの?』

エ「だったら何だよ?」

『エースっ!』

エ「わぁ!」

恋歌は嬉しさのあまりエースを勢いよく抱き締めた。

エ「な、何だよ

何で泣いてんだよ
嫌だったのか?」

不安そうにエースが聞く。

恋歌は首を横に振る。

『違うよ

嬉しかったから…

エースに家族って言ってもらえて本当に嬉しい』

エ「大袈裟なやつ…」

エースは暫く恋歌に抱きつかれるままにしておいた。

『エースがご飯食べさしてくれるの楽しみにしてるね』

エ「おう」


『(ていうか今エースって二歳よね?

この話し方大人っぽすぎない?)』

恋歌はそんなことも思っていた。

『(ま、いっか)』
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