第3章 2人での生活の最初
簡単に肉と野菜を炒めて盛り付ける。
ご飯も炊いて、他にもおかずを何品か作った。
二人にしてはだいぶ多いのだがエースがどれぐらい食べるかわからなかったのでこんな量になってしまったのだ。
『さ、どうぞ』
と言ったのはいいがエースはまだ二歳。
元々あった椅子はエースには大きすぎて座ったら頭が半分ぐらいしか見えていない。
『(最初は子ども用の椅子用意してほしかったなー)』
それはそれで可愛いのだがエースはご飯を食べることができない。
エースもどうやって食べようかと悩んでいる。
恋歌は立ち上がりエースの座っている椅子の後ろに回りエースを抱き上げた。
エースは何をされるのだろうとされるがままになっている。
そして恋歌はエースが座っていたところに座り、エースを自分の膝の上に乗せた。
『これなら食べられるでしょ?』
エースは驚いて後ろを勢いよく振り替える。
『どうしたの?』
エ「これじゃああんたが食べれない…」
『私のことは気にしなくてもいいわ
これはエースに食べてほしくて作ったものなんだからエースに食べてもらえればそれでいいの』
エースはちょっと泣きそうになりながらそれを隠すように前を向いた。
エ「い、…ただきます」
『はい、どうぞ』
しっかりと挨拶のできたエースの頭を撫でながら恋歌は微笑む。
次々と無くなっていく料理に恋歌は満足そうな顔を浮かべている。
時々おかわりと言われればエースが膝に乗っているので一緒に抱き上げながらご飯を注ぎに行ったりもした。
気がつくとあれだけ大量にあった料理がきれいになくなっていた。
それに気づいたエースがはっとしたように後ろを向く。