第14章 家族
サボはポルシェーミから降り下ろされる刀に痛みを想像して目を瞑った。
だが来たのは柔らかい感触と、聞こえたのは金属音。
恐る恐る目を開けると目の前には血だらけになった人の服があった。
腰には腕も回されている。
その腕は細いがしっかりとサボを抱えていた。
サ「恋歌さん…」
自分を抱えている人物の名前を呼ぶ。
見れば恋歌はサボを抱えていない方の腕で刀を受け止めている。
サ「えっ?
ちょっと腕…!!」
サボは慌てるが恋歌は笑って大丈夫と返す。
ポ「(こいついつの間に…)
そのままだと腕が落ちるぜ?」
ポルシェーミは突然の恋歌の乱入に驚いたが、刀を止めている腕を見てニヤリと笑う。
『あなた程度の人に私の腕を落とせるとは思えませんが』
ポ「何だと!
それならお望み通り斬ってやるよ!」
ポルシェーミは力を込めて恋歌の腕を斬ろうとする。
だが、斬れるどころか食い込みもしない。
ポ「なん…で」
『そんなナマクラ振り回してるからですよ
私の腕の方が性能はいいようですね』
その光景をサボは近くで見て口を開けるしかない。