第12章 未来の海賊王との出会い

恋歌は山賊がルフィを連れて海に逃げることはわかっていたので海を見渡せる港まで来ていた。

だがもうすでに海の深いところまで出ていた小舟に恋歌は心の中で小さく舌打ちをした。

小舟の上の二人は何を言っているのかまではわからないが、言い争っているのはわかる。

恋歌は海に入り全身変身(トランス)をする。

『(【トランス 人魚(マーメイド)】)』

服は邪魔にならないように尾びれの一部に、耳はヒレに、足は尾に、肺呼吸は水中ではできないのでエラ呼吸ができるように変えた。

指の間にも水掻きを作る。

これらを一瞬で終わらせて海を泳ぐ。

今恋歌は全身変身(トランス)により人魚になることで魚と同じように、人間よりも何倍も速く泳ぐことができ、呼吸も苦しくならなくなっている。

恋歌の視線の先にはすでに海王類が写っている。

泳ぐスピードはこちらの方が上。

しかし小舟への距離が違いすぎる。

先に小舟に到着した海王類は大きく口を開けて小舟を襲う。

恐らく原作通りであれば山賊がやられたのであろう。

次はルフィだ。

恋歌は海王類が次に口を開ける前にルフィの元に行くことができた。

『ルフィ!!』

ル「ね、姉ちゃん？」

戸惑うルフィを腕の中に閉じ込める。

ルフィの視界を塞ぎ、反撃をしようと身構えたとき恋歌とルフィに覆い被さってきた影があった。

そのまま二人で抱き締められる。

ガチン、という嫌な音が聞こえた後の

シ「失せろ」

という言葉。

『(まさか…)』