第1章 ラギー
「ゆうちゃん、」
辛そうに呟いたラギー先輩は、わたしの手をその頬にもっていきすりすりと甘えてくる。
え、かわいい。これは深刻。かわいすぎて。
掴まれた右手はそのままに、今度は左手で頭を撫でれば、ラギー先輩のしっぽがゆるりと揺れた。
そして今度は、左手もぱしり。掴まれ、
「うわあ!?」
ぐいっ、とひっぱられ、わたしはラギー先輩の上に倒れ込んだ。
ちょうど顔はラギー先輩の肩の上で。ぽすり、ベットに打ち付けただけで痛くない。
体を先輩に押し付ける形になり、そのままぎゅーっと抱きしめられる。わたしの肩に顔を埋めたラギー先輩はすんすん匂いを嗅ぎ。
「ゆうちゃん、、すきっス」
すこし呂律の回らない甘ったるい声で言われたらきゅーーーーん、とわたしの心は掴まれた。
「わたしもだいすき」
抱きしめ返して、その手でラギー先輩の耳をそわ、触れば、「くすぐったいッス」小さく先輩が体を震わす。
もー、すき。
ほっぺをすりすりとすりあわせれば、ぐい!急に視界が反転した。
わたしを見下ろすラギー先輩。