第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
「義勇さんたち、本当に帰っちゃうんですか?」
受付でチェックアウトを済ませ、帰り支度を整え、ロビーに立つ陽華達に、禰豆子が寂しそうに詰め寄った。
「うん、やっぱり勇兎のことが心配なの。温泉も堪能出来たし、みんなとも久々にはしゃいで、充分楽しんだしね。」
そう言って微笑むと、禰豆子の後ろから村田が話しかけてきた。
「また来いよ。次は3人で。いつでも待ってるからさ。」
「村田、ありがとう。その時も、最高のおもてなし、期待してるからね?」
「おう、任せとけ!」
親指を上げ、村田が元気よく答えると、陽華の横から、義勇も頭を下げる。
「俺からも礼を言う。村田、お前は隊士より、そっちの方が似合ってるぞ。」
義勇が素直な感想を述べると、村田は若干、複雑な笑顔を浮かべた。
みんなと挨拶し、陽華達は荷物を持つと、ホテルの玄関に向かって歩き出した。
その時だった。玄関が開き、誰かが入ってきた。
「お母さんっ!!」
「え?……勇兎っ!?」
ホテルの玄関から、走ってくる愛しい我が子に驚きながらも、身をかがめ、抱きしめる。義勇も驚いた顔で、身を屈めて、勇兎の肩に手を置いた。
「勇兎、どうしてここに?ていうか、どうやって来たの?」
陽華が問い掛けると、勇兎は顔を上げ、玄関を指さした。
「あのね。おじちゃんが、連れてきてくれたの!」
「おにいちゃんな?」
玄関の方から、天元が嫁たちと子供たちを引き連れて、歩いてきた。
「天元さん!?」
さらに驚く陽華の前まで来ると、天元は勇兎の頭をわしゃわしゃと撫でながら、こう言った。
「こいつ、頑張ったんだよ。だから、ご褒美に連れてきてやった。昨日一日イチャつけば、充分だろ?」
天元の配慮に涙が出そうになる。