第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
全員を追い出し、扉を閉めると、義勇はリビングの中央にいる陽華の元へ来て、その身体を抱き寄せた。
「やっと、五月蝿いのがいなくなったな。」
「もう。みんな、お祝いに来てくれたのに。」
「いや…あれは、最終的に騒ぎたかっただけだ。」
肩をすくめて言う義勇の顔が、今度は反省するような顔に変わる。
「それより、さっきは本当にすまなかった。事故とはいえ、お前以外の女性を抱くなど、あってはならないことだった。」
そう真面目に反省する義勇に、陽華は元気づけるように、ニコッと笑った。
「事故だったんだから、気にしてないよ。」
そう言いながらも、先程の光景、カナヲ抱いた義勇を思い出すと、若干心がざわつく。
「ううん、嘘。やっぱりちょっと、妬いちゃった。だって、義勇のここは、私だけのもので、いてほしいもん。」
そう言って、義勇に抱きつくと、甘えるように胸にすり寄った。そんな猫のように擦り寄ってくる可愛い陽華の頭を、優しく撫でる。
「俺のここは、生涯、お前のものだ。約束する。」
「うん!……でも、勇兎は特別に、許してあげるね?」
「そうだな。」
頷いて、優しく微笑む義勇に、陽華も微笑み返すと、そのまま目を閉じた。口づけを求めるように、口角上げ、義勇を誘う。
それに応えるように、義勇の顔がゆっくりと近づく……、
ドンドンっ!!
「っ…、今度は誰だ。」
陽華がドアを開けると、涙目の善逸がいた。
「善逸、どうしたの?」
「陽華さぁ〜ん!!炭治郎の奴が、ひどいんだよぉ〜!!」
そう言って善逸が、いきなり、陽華の腕に縋り付いてきた。
「禰豆子ちゃんと同じ部屋に入ろうとしたら、女風呂覗こうとした俺とは、同じ部屋に出来ないって、無理矢理、炭治郎と二人の部屋にしようとするんだよぉ!」
「自業自得じゃない?禰豆子にも失礼だし。」
少しも同情出来ない話しに、至極当然の答えを返す。そんな陽華に善逸がショックを受けた顔をする。
しかし、めげずに開き直ると、善逸はここに来た理由を告げた。
「炭治郎と同じ部屋で、見張られながらなんて、耐えられないんで、逃げ出してきたんです!陽華さんの部屋に泊めさせてください!」