第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
気配のない、暗闇のリビング。陽華は何処へ、行ったのか?義勇はリビングの入り口に立ち、首を捻った。
その時だった。
パァンッ!
パン、パァン!!
突然、立て続けに破裂音が鳴り響いたと思ったら、部屋の明かりが一斉に点灯した。
義勇が驚いて部屋を見回すと、誰もいないと思っていたリビングには、陽華を中心に、炭治郎達後輩の姿があった。
陽華達は、義勇の姿を確認すると、「せーのっ!」で、声を合わせた。
「「義勇さん、お誕生日おめでとうございまーす!!!」」
「……え?」
義勇が時計を見ると、もう夜中十二時を過ぎていた。
「義勇、おめでとう。」
何が起きたのか?半ば放心状態の義勇に、陽華が花束を渡した。義勇はそれを「あ、ありがとう。」と言って、受け取ると、陽華の顔を伺い見る。
「陽華、これは…どういう…、」
「フフッ、みんなで計画したのよ、義勇の誕生日会。」
義勇が周りを見渡した。色とりどりに飾られた室内、おめでとうと書かれた横断幕。
テーブルに並べられた美味しそうな料理に、渡された大きな花束。そして、義勇を見る、みんなの笑顔。
「昼間、部屋を出た時から、みんなで代わる代わる準備したのよ。義勇を部屋に帰さないようにするの、大変だったんだからね。本当にみんな、頑張って色々と考えてくれて…、ねぇ、驚いた?」
「驚くも何も…、」
感情が混乱して、言葉が出ない。きっと何かを言わなくちゃいけないのだろうが、胸が詰まって、うまく言葉が出ない。
「じゃぁ…今日あったこと、さっきのこと…も、」
「うん、計画の一部。ま、予測してないことはたくさんあったけど。まさか義勇が、あんなに強くカナヲを抱きしめてるとは、思わなかったな。」
ちょっと、嫌味ったらしく言った後、陽華は笑顔を向けた。
「だけど、本当に怒ってないよ?この用意をするために怒ったふりしてただけ。悲しい想いさせちゃって、ごめんね?」
申し訳無さげに謝る陽華に、義勇は心底安心したように、笑顔を浮かべた。
地下の寝具室から戻ってきた面子も揃うと、炭治郎は、隣の部屋から大きなケーキを持ってきた。
「義勇さん、ケーキもあるんですっ!ろうそく、消してください。」