第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
突然、暗がりから声が聞こえ、義勇は飛び上がった。よく目を凝らして見ると、それは善逸だった。
「……我妻か。そう言えば昼間から、ずっと姿が見えなかったが、何処にいたんだ。」
「炭治郎に、女風呂を覗こうとした罰で、ここで反省してろって、閉じ込められたんですよ!風柱と一緒に。」
さらに暗がりから、実弥が出てきた。義勇はその姿を見て、驚きの声を上げた。
「不死川。まだ、ここにいたのか?」
「お前が、やらせんたんだろがァ!!」
「そうだが、お前なら、こんなところすぐに出られただろう。」
「まぁな。でも、俺は俺で、色々と考えることがあったんだよ。」
そう言って、実弥は目を逸した。そんな実弥の反応を、義勇は訝しげに見る。
「なぜ、目を逸らす?何か、やましいことでもあるのか?まさか……お前…、本当は見えていたんじゃないのか?」
「みっ、見てねェーよ。…ただ、」
あの風呂場での、陽華との事故を思い出す。
大切な部分は隠していたと言っても、あんな小さくて薄い布じゃ、あの破壊力は消すことなんて、到底出来ない。
今にも溢れ出して、零れそうにハミ出た乳房に、むっちりとした谷間。あの艶めかしい腰の輪郭に、付け根スレスレまで出た引き締まった太股。
そして、どこを触っても、柔らかそうな白い肌。
あの布地の下を、何も想像するなと言うほうが、無理な話だった。
「ただ……、なんだ?」
少し凄みの効いた義勇の問いかけに、実弥は慌てて答えた。
「な、なんでもねェーよっ!!ンなことより、今はお前だ。一体何があった?」
実弥にいい感じに誤魔化された感があったが、義勇は先程あった出来事を、実弥に軽く説明した。
「アァ、なるほどなァ。でもよ、誤解なんだろ?ちゃんと上行って、本人の前で説明すりゃァ、いいじゃねーか?」
実弥の言葉に、義勇は抱えていた両膝をギュッと抱きしめた。
「しかし陽華は、一度本気で怒ったら、話しを聞いてくれない頑固なところがある。暫く、せめて陽華が落ち着くまで、ここにいる方が賢明だ。」
「………情けないですね。」
実弥の横から、小さくそう呟いた善逸を、義勇は驚いた顔で見返した。
「それでも、鬼殺隊を支えた柱ですか?そんな生殺与奪の権を、他人に握られるような選択をして、恥ずかしくないんですか?」