第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
「ねぇ、天元のおじちゃん。」
「おじちゃんじゃねぇ。お兄ちゃんだ、もう一回やり直せ。」
「うん、わかった。」
勇兎は頷くと、一旦部屋に戻り、また天元に近づくところから始めた。
「ねぇ、天元のおにいちゃん。」
「ん、なんだ?」
勇兎は天元の横に、縁側に脚を投げ出す形で座ると、脚をパタパタさせながら、天元に問いかけた。
「お父さんとお母さんは今、何処にいるの?」
天元はその質問に少し考えるように、天を仰いだ。
「うーん。今、お前の父ちゃんと母ちゃんは、山に修行に行ってんだよ。」
「修行?」
天元の答えに、勇兎は首を傾げた。
「あぁ。お前を喜ばせる為にな。上手く行けば、お前に弟か妹が出来るかもしれないぞ?」
「え!?僕、妹がいいな!」
「そこは神様が決めるところだからな。無理言うのは、野暮ってもんだ。」
そういって、あははと笑う天元の横で、苦笑いを浮かべた雛鶴が、
「……天元様、その辺で。」
そう窘められ、天元は口を噤んだ。
「……ねぇ、おじちゃん。」
「だからな……、」
「僕、寂しいな……。」
少し俯き加減に、そう呟いた勇兎の肩を天元は抱き寄せた。
「なぁに、ちゃんと我慢出来たら、おにいちゃんが、お前にご褒美やるよ。だから頑張れ、男だろ?」
「ぐすっ…、うん!」
勇兎は流れそうだった涙を拭うと、力強く頷いた。
・
あれから数十分後、地下のにある寝具室に、義勇はいた。
あの後、部屋に閉じこもってしまった陽華に、外から何度も話しかけたが、陽華の答えは一つ、「今は一人にしてほしい。」だった。
ショックは大きかったが、不可抗力とはいえ、陽華以外の女性をこの手に抱きしめてしまった。反省するべき点として、義勇は自ら寝具室に身を置いた。
「はぁ。俺はただ…、陽華と二人で、いたかっただけだ。」
「冨岡さん……、」
「うぁっ!」