第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
「ぎ、義勇さーーんっ!ゾンビの弱点は、鬼と一緒で、首ですっ!優しくっ!!やさーしく、手刀でトンッて、してあげてくださいっ!本当に、本当にお願いします!!」
炭治郎は義勇に向かい、悲痛な助言を与えると、誰に向けてかわからないが、大きな声で呟いた。
「あー、ゾンビの皆さんも、もう少し、ゆっくりと動いてくれたら、いいのになーーー。」
その声に、ゾンビの動きが緩慢になっていく。義勇はゆっくりと近づいてきたゾンビの首に、一撃を入れると、次々とゾンビを倒していった。
数が少なってくると、義勇は炭治郎に向かって言った。
「炭治郎、陽華が心配だ!ここは頼む!」
「はい、義勇さんっ!!」
義勇は地面に置いてあった灯りを掴むと、陽華が消えていった方向へと走り出した。
炭治郎は、去っていく義勇の姿が小さくなったのを確認すると、その場にいたゾンビ達と共に、カウンターを食らったゾンビの救出に、走り出した。
・
義勇が暗い森を少し行くと、遠くの方に、微かに人影が見えた。
(陽華か?)
月明かりでも判断できるのは、淡い藤色の、女物のホテルの浴衣。
「陽華っ!!」
確信した義勇が、その影に一気に詰め寄る。しかし……、
「うぁっ!」
もう少しの所で、道端に転がった岩に躓き、バランスを崩した義勇は、目の前の人物に覆いかぶさった。
慌てて、その人物に潰さないよう瞬時に抱きしめると、二人一緒にその場に倒れ込む。
「いたたっ…。陽華、済まない。大丈夫か?」
義勇が半身を起こし、腕の中の人物に訪ねた。するとちょうど、転んだ時に手から離れた灯りが転がってきて、二人の顔を照らす。
その瞬間、義勇が驚いて、目を見開いた。
「お前……、胡蝶の?」