第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
「カナヲっ!陽華さんが心配だ、追ってくれっ!」
その言葉にカナヲは頷くと、走り出した。
その姿を確認し、敵の攻撃を掻い潜ると、炭治郎は義勇の背中に、ぴったりと合わせるように近づいた。
「義勇さん。どうやら外国では、何かしらの薬剤やウイルスで、死人が蘇る…って、聞いたことがあります。きっと、この廃棄された集落で、何かしらの人体実験がっ、うあっ!」
夕食の時間、村田に呼び出されて貰った台本。その通りに説明をする炭治郎に、敵が襲いかかる。炭治郎はそれを既でかわした。
さらに崩れかけた家屋から、もう一体飛び出してきた。しかも、その一体は木刀を携えている。
義勇は、向かってきたそのゾンビの一撃をかわすと、くずれた家屋に転がっていた角材を掴んだ。それで、間髪入れずに襲ってきた一体の木刀を受け止める。
「炭治郎!…こいつら、動きが尋常じゃないっ!」
「何かの薬で、筋肉が増強されているのかもしれません!義勇さん、気をつけてっ!(……そりゃ、そうだ。元鬼殺隊士だもんな。)」
義勇がゾンビに向かって、一撃を放つと、ゾンビは慌てて、その一撃を跳ね返した。
一瞬、ゾンビが怯む。
(うぉっ、片手も無くて、体力が無くなってても、さすがは水柱。本気を出さないと、殺られるっ!)
義勇の相手をしていたゾンビが、スッと木刀を動かした。その見覚えのある動きに、義勇は目を見張った。
「炭治郎!!こいつ、水の呼吸を使うっ!」
「へ?こ、呼吸!?………じゃ、きっと、元隊士の人かな?気をつけてください!(え?…なんで本気を出してるんだっ!)」
炭治郎が、襲ってきたゾンビを素手で押さえつけると、義勇に目をやる。
その瞬間、義勇の対峙していたゾンビが大きく動き、水の幻影が勢い良く、舞い上がった。
「打ち潮っ!」
義勇は肆ノ型・打ち潮で襲ってきたゾンビの攻撃を華麗に避けると、カウンターで、その片っ腹に渾身の一撃を食らわせた。
その勢いで、吹っ飛んでいくゾンビが、崩れた家屋の中に消えていく。
(ひえぇぇぇ!!おもいっきり、入ったぁ!)
その瞬間を見ていた炭治郎と、周りにいたゾンビ達に戦慄が走る。