第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
陽華が、義勇と宴会場から出ると、廊下に面した窓から見える、外の景色は真っ暗だった。まだ開発途中だという外の森は、鬱蒼として、不気味さを感じる。
陽華が窓枠に手をかけ、外の様子を見ていると、突然フラついた義勇が寄りかかってきた。
「ちょっと!飲み過ぎじゃない?」
「なぜか皆、代わる代わる俺のところに来て、酒を注いでいく。…確かに、飲みすぎたかもしれない。」
「少し、夜風に当たる?」
そう問いかける陽華に、義勇はそっと擦り寄ると、手を回してギュッと抱きついた。
「いや…反対に今は、お前に温められたい。」
そう言って、陽華の首筋に顔を埋める。
「ちょっと…、こんなところで…、」
「部屋に戻れば、やっとお前と二人きりになれる。」
「ふふ。勇兎がいないからって、甘えすぎじゃない?」
「勇兎がいてもいなくても、本当は毎日こうして、お前に甘えていたい。」
「んもうっ。」
呆れた声を出しながらも、猫のように擦り寄ってくる義勇の頭を、優しく撫でてあげる。すると、突然後ろから、
「陽華さーん!」
と、宴会場から出てきた炭治郎が声を掛けてきて、陽華は慌てて義勇を突き飛ばした。
「何、炭治郎?」
「陽華さん、いきなりなんですけど、肝試ししませんか?」
「え、肝試し?」
陽華に突き飛ばされ、フラつきながらも姿勢をただした義勇が、陽華の後ろから、炭治郎に問いかける。
「…炭治郎、今は2月だ。」
2月の寒空に肝試しもないだろう。驚く陽華と義勇に、炭治郎は言葉を続けた。
「さっき、村田さんに聞いたんですけど。この森の先に、まだあるみたいなんですよ。……破棄された刀鍛冶の里。」
そう言うと、炭治郎はスッと窓の外を指さした。