第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
「「いっただきま~す♪」」
全員の声が重なり、一斉に箸が動き出す。
山菜を使った天ぷらや和え物、川魚の塩焼き、ジビエの陶板焼きに、上品な色合いの根菜の煮物。
卓の中央のコンロには、皆でつつけるようにと、大きな鍋に野菜やキノコの入ったものがグツグツと煮えていた。
どれも丁寧に、美味しく作られていて、このホテルの料理チームの腕の良さが伺えた。
陽華達が、美味しい料理に舌鼓を打ってる間にも、村田の料理の説明が続く。
知識として、詰め込んできたのであろう、長いうんちくも入ってきて、陽華がそろそろウザイな。と思い始めた頃、伊之助が言葉を発した。
「で、こちらのジビエ料理が……、」
「おい、しょん便洩らし。お前もう、料理の説明はいいから、向こうで腹芸でもしろ!」
伊之助が目の前のステージを指さした。
「しょん便洩らしじゃねーわ、このクソ猪っ!なんで、俺がそんなこと…、」
マジギレ寸前で言葉を返す村田に、炭治郎がキラキラした目をして、食い気味に詰め寄った。
「腹芸っ!?俺、憧れてたんですよっ!宴会で、腹芸見るの!」
「憧れてたんなら、お前がやればいいだろっ!」
涙目でそう返す村田に、義勇も追い打ちを掛ける。
「村田、やれ。俺も見たい。」
半ば、強制と言えるほどの真顔で、そう言った義勇に促され、村田の腹芸が始まった。
が、たいした盛り上がりを見せず、それは村田に打撃を与えただけだった。
その代わりに、芸人を目指しているという元鬼殺隊士や、歌手や俳優を目指してる隠の舞台や小芝居、刀鍛冶職人による曲芸が続き、それはそれなりに盛り上がりを見せた。
その間にも、無惨討伐の功労者である陽華たちには、ホテル従業員の挨拶がひっきりなしに、行われた。
すべての催し物が終わった後はだいぶ夜も更けてきていた。