第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
そんな楽しそうな女子たちの姿を見て、ムズムズしだした伊之助が、ラケットを掴む。
「なんか楽しそうだな、俺もやるぜっ!!」
「卓球か……。俺、憧れてたんだよな。温泉で卓球っ!って、旅行に来た感じがするだろ?」
そう言って、またもや目をキラキラさせる炭治郎を見ないよう、義勇はクルッと後ろを向いた。
「そうか。じゃ、お前たちで楽しむといい。俺と陽華は、もう部屋に戻る。」
陽華の肩を抱いて、その場から去ろうとする義勇に、突然、伊之助が噛み付いた。
「おい、半々羽織っ!まさか、逃げるのかっ!」
その言葉に、義勇の動きが止まる。
「おい、伊之助っ!!」
自分の兄弟子への無礼な振る舞いに、炭治郎が伊之助を嗜める。しかし、伊之助は義勇の背中から、目を離さずに言葉を続けた。
「まだお前との勝負はついてねーぞ!それなのに逃げ出すのかっ、この弱味噌がっ!!」
義勇は、静かに陽華から離れると、伊之助が立つ卓球台の前に立った。
「お前との勝負は、とうの昔に着いてると思うが。……いいだろう。」
台の上にあったラケットを掴み、スッと伊之助に向けて突き出すと、鬼殺隊の頃の、獲物を猟るような眼差しで、伊之助を見据えた。
「今吐いた言葉、全て後悔させてやる。」
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「あー、審判は僭越ながら、わたくし、竈門炭治郎が務めさせて頂きます。11点先取で、勝敗が決まります。では、はじめっ!」
卓球台の中心に立った炭治郎が試合開始の合図をする。
「義勇、頑張ってね!!」
「伊之助さんもっ!!」
女子たちが応援する中、卓球台を挟んだ二人が睨み合う。