第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
数分後、脱衣所の床に、ホテルの浴衣を着た実弥が正座で座らされていた。
「で?……入ったら、風呂場に不死川がいたと言うことか。………まさか、不死川お前、見たのか?」
実弥の前に、威圧するように仁王立ちする義勇が、実弥の顔をギロリ睨みつけた。
「み…見てねェーよ。」
「そうよ、辛うじて手ぬぐいで隠してたから。……私は…その………みた…けど…、」
そう言って、同じく服を着た陽華が、義勇の横で、恥ずかしげに両手で顔を隠した。
その姿を見て、義勇が苦々しい顔を実弥に向けた。
「……不死川…貴様、胸だけじゃ飽き足らず、そんな破廉恥なモノまで、陽華に見せつけたのか。……炭治郎!!」
義勇は、脱衣所の入口付近で、事の成り行きを見守っていた面々の中から、炭治郎を呼んだ。
「は、はいっ!!」
「今すぐに、刀をもってこいっ!」
「義勇さん、ごめんなさいっ!家に置いてきましたぁ!」
申し訳無そうに謝る炭治郎を横目に、実弥は慌てて立ち上がると、義勇に詰め寄った。
「待て待て待てっ!俺が先に入ってたんだぞ!?それにどうみても、俺の方が被害がでけェーだろがァ!!」
「大丈夫だよ、実弥。私、あのことは誰にも言わないから!」
義勇の後ろから顔を出し、安心して!と言わんばかりに、陽華が親指を立てて合図する。
「お前も誤解を招くような言い方すんなァ!!」
「いったい、何の話だっ!」
「それはお前の嫁に聞けっ!」
悲痛な面持ちで、叫ぶ実弥を一瞥すると、義勇は深く息を吐き出した。
「もはや、問答は無用だな。炭治郎、我妻、嘴平!不死川を拘束して、地下室に閉じ込めておけ。」
「あぁ!?俺がいったい、何したァ!」
「…破廉恥罪だ。今後、禰豆子達女子にも、同じ被害が出ぬよう、拘束する。」
「人を露出狂みたいな、扱いすなァ!」
何かよくわからないが、ここは従っておいた方が良さそうだ。炭治郎は申し訳無さそうに実弥に、「本当にすいません。」と、何度も呟きながらも3人同時に襲いかかり、実弥を拘束した。
「クッソォ。冨岡、覚えてやがれっ!!」
そうして、実弥が地下の寝具室に拘束されたのを確認すると、義勇は女子たちに、安心して風呂に入るよう、促した。