第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
「……誰だろ?」
陽華が軽く身体を起こしながら、ドアの方に視線を送った。
「誰でもいい。無視する。」
ドアの方を見もせずに、義勇がもう待てないとばかりに、陽華の胸の先端にある、小さな実を口に含んだ。
「やぁんっ!……ぎ、義勇、だめだよ!ホテルの人で、大事な用事があったらどうするの?」
早く出るようにと陽華が促すと、義勇は軽く舌打ちして、身体を起こした。
「すぐ戻るから、待ってろ。」
義勇が離れると、陽華も慌てて、身体を起こし、はだけた衣服を整える。
ドアを開けると、扉の外には炭治郎が立っていた。
「何の用だ?」
そう言った義勇の顔が、明らかに不機嫌そうで、炭治郎の顔が固まった。
(ひぇぇ〜、なんか機嫌が悪そうなんだけど。つか、義勇さんの身体から、めちゃくちゃ陽華さんの匂いがしてくるっ!!)
これはマズイ時に来てしまったのでは?さっきチェックインしたばかりなのに、事におよぶのが早すぎるだろ?そう思いながらも、炭治郎の身体に緊張が走った。
「あ、あの……、お風呂の時間を決めておこうと…思いまして……、」
炭治郎の声が段々と小さくなっていく。その声に気づいて、慌てて陽華が炭治郎と義勇の間に割って入った。
「炭治郎、わざわざありがとう。みんなはどうしたいって?」
「あ、陽華さんっ!」
陽華の登場に、助け舟とばかりに炭治郎は視線を陽華に切り替えた。
「とりあえず、女の子達が温泉に入りたいというので、女子と男子で時間を区切って、入るのはどうだろう?って、話しになりました!!」
「そうなの?私達は別に何でも…、」
「じゃっ!まずは女子から、お願いします!!女子が全員、上がったのを確認したら、男子の時間にしますから!」
陽華の言葉を遮り、炭治郎は早口でそこまで説明すると、思っきり頭を下げた。
「ではっ、失礼しましたっ!!」
そして、ここには一秒もいられないとばかりに、一目散去っていく。