第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
「ほえー、もうすっかりホテルマンね。」
テキパキと仕事をこなす村田を見て、陽華が感心したように呟いた。それを聞いて、村田は、
「音柱…、宇髄オーナーが結構、躾に厳しいんだよ。」
と、苦笑いを返すと、カウンターにあったベルを鳴らした。すると、ベルボーイ達が近づいてきて、陽華達の荷物を受け取った。
「あ、後藤さんっ!!」
恐らく元隠の人達だろう。炭治郎が嬉しそうに見覚えのあるベルボーイに声を掛けていた。
そうして陽華達は、各部屋に案内されていった。
その後ろ姿を見ながら、村田は思い出したように「あ、いっけね。」と、呟いた。
「まだもう一人、宿泊客がいるの、言うの忘れたな。………まぁ、そのうち会うだろうから、いっか。」
・
元隠のベルボーイに案内され、通された最上階のスイートルーム。
「きゃー、凄い部屋♪」
扉を開けた瞬間に広がる大きなリビングルーム。大きなテーブルの周りに置かれた、ふっかふかのソファ達、10人ほどの小さなパーティなら、この部屋だけで開けそうな造りだ。
外張りはガラス仕様になっていて、森が上から見渡せる、絶好の景色が続いている。
リビングには、何個かのドアが設置されており、陽華は探検気分で探索を始めた。
一つ目の扉を開けると、そこは洋風のベットルームだった。ダブルが2つくらいくっついた大きなベットが中央に鎮座し、アンティークな家具やライトが設置されていて、さながら何処かのお城の一室のような造り。
「はぁ…、すごーい。」
リビングと同じく、一面が全てガラス張りになっていて、横にある扉から、外のベランダに出れるらしい。
陽華は窓辺に立つと、広いベランダを見渡した。
「あれ、お風呂?」
外から見えないように軽く仕切りと屋根の付いた木の浴槽が見え、陽華が驚いた声を上げた。
「なんで、あんなところにあるの?」
軽く囲われているだけで、外の景色は見えるから、絶景ではあるだろうが……、
「ねぇ、あのお風呂に入ったら、この部屋から丸見えじゃない?」
「別に…二人しかいないんだから、問題ない。なんなら、今から……、」
横に立った義勇の腕が、陽華の肩を掴み、引き寄せた。