第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
今日の陽華の装いは、白い膝丈のワンピース。
上はブラウスのようにボタンが付いていて、大きくて丸い襟がアクセントになっている。袖はパフスリーブでゆったりめに造られていて、優雅さを醸し出し、ウエストマークに高い位置で、きゅっと絞られたリボンは、後ろで綺麗に結ばれていて、可愛さも兼ね備えていた。
「そう?ありがとう。洋式のホテルだって言うから、この日のために買ったワンピースなの。」
そう言って、嬉しそうに陽華が微笑むと、禰豆子は羨ましそうにため息をついた。
「陽華さん、綺麗だし、スタイルもいいから、洋服でも和服でも、何でも似合いますよね?本当に素敵です。義勇さんもそう思いますよね?」
突然、陽華を飛び越して、話しかけられた義勇は、陽華の姿を一瞥した。
普段はあまり見ることのない、洋装。家で初めてお披露目された時も思ったが、よく似合ってる。
「あぁ、可愛い。」
そう言って、ふわっと笑う義勇の顔の破壊力に、それを真正面から見てしまった禰豆子の顔が、一瞬で赤くなった。
「ちょっと、冨岡さん。俺の恋人を誘惑するのやめてください。」
そう言って、禰豆子の隣から、善逸が恨みがましく義勇を睨みつけると、義勇は、
「そ、そんなことはしていないっ!」
と、心外そうな顔で否定した。
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「なぁ、総一朗。菓子くれっ!」
小腹が空いたが伊之助が身を乗り出して、前の席に座っている炭治郎に話しかけた。
炭治郎は上の荷物置き場から、菓子の入った袋を取ると、伊之助に差し出した。
「全部は食べるなよ。夜の分は取っておくんだ。」
「うるせー、また買えばいいだろっ!」
そう言って、菓子が入った袋を、炭治郎の手から乱暴に引ったくる伊之助に、炭治郎がキレる。
「こら、伊之助っ!!」
炭治郎が袋を取り返そうと、伊之助に掴みかかると、見兼ねた禰豆子が止めに入った。
「ちょっと、伊之助さんもお兄ちゃんも、こんな狭いところで、暴れないでっ!!」
車中、本当に学生のようにはしゃぐ後輩達の姿を、陽華は微笑ましい気持ちで見ていた。
「皆、楽しそうで良かった。ね、義勇?」
そう言って、義勇に振り向くと、義勇は明らかに元気のない声で「あぁ。」と呟いた。