第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
「冨岡の誕生日なんだろ?二人で行くんだよっ!しばらく二人でなんか、出掛けたことないだろ?」
確かに最近、二人でデートは愚か、買い物すら行ってない。もう自分達の生活には、勇兎がいるのが当たり前で、そっちの方を優先に生きている。
そりゃ、たまには新婚時代に戻って、とも思うが、まだ勇兎は幼い。まさか、年老いたじぃじ、鱗滝さんに任せるのもわけにもいかないし…。
「でも、二人だけで行ったら、勇兎の面倒は誰が見てくれるのよ。」
「勇兎は、うちのガキどもと仲もいいし、二・三日なら、うちで預かってやるよ。」
「でもそれじゃ、お嫁さんたちにも迷惑じゃない?」
若干の後ろめたさも感じる。そんな気持ちを察したのか、天元が安心させるように言った。
「うちは嫁が3人もいんだぜ?心配いらねーよ。それに、たまにお母さんじゃなくて、旦那の嫁に戻るのも、いいんじゃねぇか?」
そう言って、天元は陽華に顔を寄せると、耳元で小さく囁いた。
「それにな、たまには女に戻らないと、どんどん老け込むぞ?」
「え、……嘘?」
陽華が青ざめた顔で慌てて、目や口元を抑えた。
確かに最近、義勇が求めてくる頻度が減ってきたように思える。
(それって、疲れてる私に気を使ってくれてるからじゃなくて、私に魅力が無くなってきたからなの?)
身に覚えがあり過ぎて、さっき天元が言ってたことが、真実味を帯びてきた。
まさか義勇が本当に、私よりも若くて可愛い子と浮気?
確かに義勇のあの顔と、あの声で誘われたら、大抵の女子は、ほいほいと付いてくるに違いない。
「天元さん、私……そんなに魅力無くなった?」
ショックで、縋るような表情を見せる陽華の姿が面白くて、可愛くて、天元は思わず吹き出した。
「大丈夫だよ。充分に可愛いよ、お前は。」
「うぅ〜、天元さーん!」
陽華が涙目で左腕に縋り付くと、天元は右腕で優しく頭を撫でた。