第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
「ほらな。二十代半ばの男の性欲が、そんなんで治まるわけねーだろっ!
そんなんじゃそのうち、お前よりも若くて可愛い女に、コロッと絆されて、浮気されんぞ?」
そう茶化して言ってくる天元に、陽華が怒ったように食って掛かる。
「ちょっと、天元さんと一緒にしないでよ、義勇がそんなことするわけないでしょっ!」
「ふざけんなっ!俺だって、嫁達一筋だわっ!人を色魔みたいに言うな!
うちの嫁達はな、お前と違って、ちゃんと俺の相手をしてくれるから、浮気する必要がねーのっ!」
唾が飛びそうなほどの勢いでツッコまれ、陽華は「それは、三人もいるからでしょ!!」と言い返して、ぶーっ頬を膨らませた。
「あ〜ぁ。なんだかんだ言って、いつも的確な助言をくれるから、期待して来たのに…、」
「勝手に期待して、外れたみたいな顔すな!」
そう言いながらも、可愛い妹分の陽華の悩む姿に同情して、天元も他の何かないか、考えてみる。
そのうち、何か思いついたように、天元が「あっ!」と、声をあげた。
「なら、旅行とかどうだ?」
「旅行?」
「あぁ。ゆっくりと温泉に浸かって、旨いモン食って、絆でも深めればいいんじゃねーか?お前達にとっちゃ、湯治にもなるしな。」
そう言うと天元は、ここからが本題と言わんばかりに、ニヤリと微笑んだ。
「ちょうど、おすすめな所、知ってんだよ。」
戸棚から、パンフレットのような資料を取り出すと、そこに書かれていた温泉宿について、説明を始めた。
「最近出来た、温泉付きの高級ホテルなんだがな…、」
「うんうん。」
暫くの間、黙って聞いていた陽華だったが、説明が終わると嬉しそうに微笑んだ。
「…うん、温泉いいかも!勇兎もまだ、旅行とかに連れて行ってあげたことないし、家族で……、」
「お前、バカかっ!」
思いがけず鋭いツッコミが入り、陽華が目を丸くする。
「へ、なんでよ?」