第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
某日、宇髄邸
「…んで?
何でお前はこの時期になると、いつも、俺の家にいるんだ?」
1月も終わりかけのある日の午後、宇髄家を訪れた陽華に、天元が呆れた顔でそう問いかけた。
「え?これって、恒例行事の一貫じゃなかったっけ?」
トボけながらも、上目遣いで可愛く言う陽華に、若干絆されそうになるのを踏みとどまると、天元は眉間に皺を寄せ答えた。
「あのな。毎年、言ってるだろ?お前の旦那が、誕生日に何が欲しいかなんて、俺が知るわけねーだろ!」
散々言ってきたこの台詞を、また今年も使う。
そりゃ義勇も、柱の頃の無口で何を考えてるのかも解らなかった時代に比べたら、最近は笑顔も増え、可愛げが出てきた。
とはいえ、やはり何を考えているのかは、今一理解が出来ない。それでも唯一、天元が理解できていることと言えば……、
「アイツは、お前にしか興味がねーんだよ。リボンも新調してやるから、それで派手にもてなしてやれ。」
「だって、毎年それじゃ……、芸が無いというか…、」
前に天元からの助言で、自分にリボンを巻いて、贈り物にしたことがある。
その後も義勇からの要望で、リボンを変え、趣向を変え、と何回かしてきたが、もうそろそろネタも尽きてくる。
「お前な、見くびるなよ?男なんて単純なんだから、何回擦っても、そんな程度で有頂天になれんだよっ!」
ムン!と、自信満々に言い切る天元だったが、ふと「でもな…、」と呟いた。
「……普段の頻度にもよる。お前達今、どれくらいの頻度でしてんだ?」
「やだっ!そんなこと、普通聞く?変態っ!」
いきなり変態呼ばわりされ、天元のおでこに青筋が浮かび上がった。
「変態じゃねぇ!こっちは、参考に聞いてんだよっ!!……まぁどうせ、今日も子育てで疲れてるの〜。とか言って、ご無沙汰になってんだろ?」
「別に…そんな…してないわけじゃ…、一ヶ月に……1、2回…とか?」
恥ずかしそうにそう答えた陽華に、天元がそらみたことかと言わんばかりに、鼻を鳴らした。