第44章 水魚之交
さらに陽華達は次々と、墓参りを終えていく。
暫くすると、陽華達にも馴染みの深い面子の墓が続いていく。
いつも兄のように陽華達を見守ってくれた、岩柱・悲鳴縞行冥。
少し生意気だけど可愛くて、弟的な存在だった、霞柱・時透無一郎。
それぞれ報告も含めて、少し長めに手を合わす。
さらに蛇柱・伊黒小芭内の墓を参り、その隣の恋柱・甘露寺蜜璃の墓に来ると、炭治郎が不思議そうな顔を陽華に向けた。
「甘露寺さんて、家族いますよね?なんで、鬼殺隊の墓に入ってるんですか?」
「それはね、私の願いを天元さんが叶えてくれたからなの。」
そう言って陽華は、にこやかに炭治郎に微笑んだ。
「私は気を失っていたから、小芭内と蜜璃の、二人の最後を見てないんだけど。隠の人がね、教えてくれたの。二人は来世で添い遂げることを誓って、寄り添うように亡くなったって。」
小芭内が慈しむように、蜜璃をその腕に抱き、二人は息を引き取った。その話を聞いた陽華は、胸が締め付けられるような気持ちになった。
「だからね、もし生まれ変わっても、二人がちゃんと出会えるよう、遠く離れたりしないよう、お墓を近くに置きたい。って、そう思ってたの。」
そう言うと陽華は、隣にいた義勇の手を握りしめた。