第43章 最後の会議
そんな陽華の姿を見て、実弥がボソッと呟いた。
「…可愛いなァ。」
「そうだろう、俺の嫁だ。」
そう言って、自慢げに微笑む義勇に、実弥はイラッとして、睨みつけた。
「アァ?…何、ドヤ顔してやがんだァ!」
「ムフフ。」
義勇が得意げに視線を送ると、実弥はチッと舌打ちした。
「言っとくがなァ、今度アツイを泣かせて見ろ。すっ飛んでって、いつでもお前から、奪うからなァ?」
そう言って、ギロリと睨む実弥に、義勇は穏やかに微笑んだ。
「もうそんなことにはならない。俺の一生を掛けて、幸せにする。」
「一生かァ。ちと、短けェーがなァ。」
「…いや、アイツはまだ諦めていない。」
その言葉に、実弥は目を見開いて、少し遠くで、花びらと戯れる陽華を見た。
「マジかァ?…はっ、アイツらしいな。」
「だから、不死川。お前にも、あいつの野望に協力して貰う。」
「アァ?俺は、医学の知識もねぇぞ?協力しろつったって、何しろっつーんだ?」
怪訝な顔で実弥が義勇を見ると、義勇は真剣な顔で実弥を見返し、こう言った。
「根性で生きろ。」
そう言った義勇の顔が、余りにも大真面目だったので、思わず実弥は鼻で笑い飛ばした。
「ははっ、…結局そこかよ。」
「あぁ。今ところは、それしかない。」
そう笑い返す義勇に、実弥も呆れつつも、何処かスッキリとしたような顔で笑った。